Unique Local Address
ULA(Unique Local Address)
ULAは、サイト内部で使用されるUnicast Addressだ。インターネット上では使用することができないが、サイト内部でユニークな存在で、サイト内部通信に使用する事が出来る。ULAには「fc00::/7」が割り当てられている。 プレフィックスとして1ビットが予約されているので、実際にローカルアドレスとして使用できるのは「fd00::/8」となる。
ULAはなぜ必要か?
固定IPサイトには、通常/48のIPv6アドレスブロックが割り当てられるので、組織内のユニキャスト通信を全てGUAだけで運用する事は十分に可能だ。
GUAの割り当ては、ISP等の事業者が各組織に割り当てるのだが、回線品目変更やISPの契約変更GUAが変更になることが十分想定される。
このような場合、GUAだけで運用していると、全ノードのIPv6アドレスリナンバーをしなくてはならい。
これは想像以上に大変な作業になる。なぜならば、GUA変更と同タイミングで全ノードを一斉にリナンバーしなくてはならないからだ。
リナンバーと動作確認をするだけでも数日から数か月が必要になるはずだし、移行期間中の内部通信は保証できないものとなる。
このような事態を避けるために、組織内で恒久的に使用できるローカルIPv6アドレスを持っていれば、GUAのリナンバーが発生したとしても、組織内部の通信はULAで担保することができる。
これがULAを必要としている最大の理由だ。
もちろんインターネットアクセスを担保するためにGUAのリナンバー対応は必要だが、ビジネスインパクトを最小限にとどめるためにはULAの導入が不可欠と言っても良いだろう。
クライアントPCは自動構成で運用しているはずだし、サーバーも極力自動構成で運用していれば、各セグメントのL3中継装置の設定変更でリナンバー対応が完了する。 残念なことに、RFCの改定でGUAがULAより優先されるようになり、筆者が提言していたこのULA運用が難しくなってしまった。